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最終拒絶通知

 2回目以降の実体的拒絶通知は、原則として最終拒絶通知(final Office Action)になります(37 CFR 1.113(a))。但し、最初の拒絶通知で指摘すべきであった拒絶を含む場合には最終拒絶通知になりません。「最初」の拒絶通知に対する出願人の補正により必要となった新たな実体的拒絶、もしくは、「最初」の拒絶通知以降にされたIDSに基づく新たな実体的拒絶を伴う2回目以降の拒絶通知は、「最終」の拒絶通知となります(MPEP §706.07(a))。例えば、記載不備のため最初の拒絶通知では引用例が示されず、出願人が記載不備に対応する補正をした場合、新たに引用例に基づいてされる拒絶通知は、「最終」拒絶通知になり得ます(In re Steele, 305 F.2d 859, 862, 134 USPQ 292 (CCPA 1962))。
 また、継続出願の場合、全てのクレームが原出願のクレームと同じ発明になる場合には、1回目の拒絶通知が「最終」拒絶通知(first action final rejection)となり得ます(MPEP §706.07(b))。従って、継続出願をする場合には3ヶ月以内に予備補正(preliminary amendment)を行うことにより(37 CFR 1.115)、新規争点(new issue)を提起する補正をしておく必要があります。



出願人の対応(reply by applicant)

 出願人は、最初の拒絶通知の場合と同様に、意見を申し述べることができます。但し、補正や証拠の提出が、最初の拒絶通知の場合と比べて著しく制限されます(37 CFR 1.116)。

(a) 権利として補正できるわけではありません(MPEP §714.13 II.)。従って、審査官が認めなければ自由に補正することはできません。

(b) 新規事項(new matter)を追加する補正が認められないのは最初の拒絶通知の際と同様ですが(35 U.S.C. 132, 37 CFR 1.121(f))、最終拒絶通知の後は新規争点(new issue)を提起する補正も認められません(37 CFR 1.116(b)(3))。従って、新規争点について審査を受けたい場合には、継続出願またはRCEにより再度の審査を求めることになります。

(c) 特許可能となるような補正は認められます。例えば、拒絶されたクレームを削除するような補正や、拒絶通知において指摘された要求に従った形式の整合が該当します(37 CFR 1.116(b)(1))。

(d) 審判のためにより良い形式にする補正は認められる可能性があります(37 CFR 1.116(b)(2))。

(e) 最終拒絶通知の後の実体的な補正については、その補正の必要性および以前にその補正を提示できなかったことの良好かつ十分な理由を示すことにより、認められる場合があります(37 CFR 1.116(b)(3))。

応答期間(time period for reply)

 最終拒絶通知に対する応答期間は、最初の拒絶通知の場合と同様に、3ヶ月が設定期間(shortened statutory period)になります(MPEP §706.07(f))。延長料(37 CFR 1.17(a))を支払えば、当初の設定期間を含めて合計6ヶ月まで延長することができる点も最初の拒絶通知の場合と同様です(37 CFR 1.134)。

インタビュー(interviews)

 インタビューは最終拒絶通知後も可能ですが、2度目以降のインタビューは出願放棄または審判について促進ができると審査官が確信する場合に限られます(MPEP §713.09)。インタビューは、当初の設定期間経過後であっても延長期間内であれば、延長料(37 CFR 1.17(a))を支払うことなく行うことができます(MPEP §713.09, §706.07(f))。