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米国(アメリカ)特許に関する丸島敏一による個人的メモです。適宜更新していく予定です。

書籍「MPEPの要点が解る 米国特許制度解説」の第3版が刊行されました。

クラフト国際特許事務所

MPEP

USPTO fee schedule

索引

ffl

外国への出願許可

 米国内でなされた発明については、特に許可(foreign filing license)を得た場合を除き、米国に出願してから6ヶ月を経過した後でなければ他国に出願することはできません(35 U.S.C. 184)。これに違反した場合には特許を受けることができませんし(35 U.S.C. 185)、さらに刑事罰の対象となります(35 U.S.C. 186)。このような不利益を回避するために、米国内でなされた発明を他国に出願する際には以下の方策を確認しておく必要があります(MPEP §140)。



米国出願後6ヶ月の経過(no license)

 米国への出願から6ヶ月を経過した後は、秘密命令(secrecy order)が発せられない限り、許可なく外国へ出願することができます(37 CFR 5.11(e)(2))。従って、状況が許すのであればこの期間経過を待って外国出願するのが安全です。

みなし請願に対する許可(automatic petition)

 また、米国内でなされた発明についてされた特許出願は、上述の許可を求める請願書(petition)を含むものであるとみなされ、許可が認められた場合には出願受領書(filing receipt)にその旨が示されます(37 CFR 5.12(a))。

請願書の提出に対する許可(separate petition)

 みなし請願に対して許可が認められなかった場合には、改めて請願書を提出できます(37 CFR 5.12(b))。この場合、請願のための費用(37 CFR 1.17(g))が必要になります。また、この請願は米国に出願しない場合にも提出できますが、その場合にはその請願の対象の写しを添付しなければなりません(37 CFR 5.13)。

遡及的許可(retroactive license)

 誤って外国に出願してしまった場合には、遡及的許可(retroactive license)を求める請願書を提出できます(37 CFR 5.25(a))。この請願には、(a)出願国リスト、(b)出願日、(c)宣誓書または宣言書(欺く意図はなく間違って出願してしまったこと等を証言するもの)、(d) 費用(37 CFR 1.17(g))を添付しなければなりません(37 CFR 5.25(a))。

ffl.txt · 最終更新: 2016/10/24 11:14 by marushima