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米国(アメリカ)特許に関する丸島敏一による個人的メモです。適宜更新していく予定です。

書籍「MPEPの要点が解る 米国特許制度解説」の第3版が刊行されました。

クラフト国際特許事務所

MPEP

USPTO fee schedule

索引

pm

特許の維持

 特許発行の際に支払われた発行料(issue fee; 37 CFR 1.18(a))には、第1年分から第4年分の維持費(maintenance fee)が含まれています。特許権者がそれ以降も継続して特許権を維持したい場合には、第5年分から第8年分の維持費を特許後3年から3年6ヶ月までの間に、第9年分から第12年分の維持費を特許後7年から7年6ヶ月までの間に、第13年以降分の維持費を特許後11年から11年6ヶ月までの間に、それぞれ支払うことになります(37 CFR 1.362(d), 1.20(e)-(g))。



維持費の猶予期間(grace period)

 上述の維持費の支払い期間を経過した後であっても、その後6ヶ月の期間(grace period; 猶予期間)以内であれば、追加料金(surcharge; 37 CFR 1.20(h))の支払いを条件として維持費の支払いが認められます(37 CFR 1.362(e))。

維持費不払いの回復(acceptance of delayed payment)

 さらに、上述の猶予期間内に維持費を支払うことができなくても、維持費の支払いが認められる場合があります(37 CFR 1.378)。従前は、(1)不可避な(unavoidable)不払い、または、(2)故意でない(unintentional)不払いの何れによるものであるかに応じて、2種類の方法が用意されていましたが、2013年12月18日の特許法条約(PLT)批准に伴う規則改正により、不可避な不払いを理由とする手続は廃止され、故意でない不払いを理由とする手続のみとなりました。

 猶予期間経過後に維持費を支払うためには請願が必要であり、その請願には、維持費、請願費(37 CFR 1.17(m))、および、不払いが故意でなかった旨の陳述(statement)が含まれていなければなりません(37 CFR 1.378(b))。

 なお、回復した特許については、上述の猶予期間の経過後、維持費の支払いが受け入れられるまでの間に製造等された物に対して効力が及ばず、他者は引き続き使用や販売等を行うことができます(35 U.S.C. 41(c)(2), 37 CFR 1.378(a))。

pm.txt · 最終更新: 2016/10/24 11:20 by marushima